対象魚

少年の 頃、開口健氏の『私の釣魚大全』を読んで、大人の釣りの世界に憧れた。

雑 誌『つり人』誌に出ていた、フライの記事を読んだことに刺激を受けた。

別冊『フィッシング』の「シーズンオフにオイカワをフライで釣る」という記事に触発された。

そして私は小 遣いを持って池袋西武百貨 店のスポーツ館で一番安いグラスロッドとリール、タックル一式を買いそろえ近くの入間川でオイカワを釣った。


それが私のフライフィッシングの始まりだった。

このことが、 以後の私のフライフィッシングの方向性を大きく左右したようだ。

鱒族に限らず、フライで釣れるものは何でも釣ってみよう。

釣って面白ければ、それで良し。楽しければ、それで良い。

そうしたスタンスなので、自分の家からふらっと出かけて手軽に楽しめる、いわゆる 鱒族以外の魚を追いかける事が多くなった。

と言っ ていたが、バスを求めて遠征を繰り返すことが多くなった。
2006年は、再びバス釣りに戻っていく予感。
 

シーバス NEW

フッコル アーの対象魚として人気の魚。
成長の過程で、セイゴ、フッコ、スズキと名前の変わる成長魚として、古くから親しまれてきた魚。
海または、河川の河口部が主なポイント。
近年の研究では、河川をかなり上ることも明らかにされている。
体長も大きなものになると1mを越すらしい。
2005年、やっとフライで念願のシーバス(セイゴ)を釣ることが出来た。
しかし明けて2006年は1匹も釣れずに冬のシーズンを終えた。

 






 

オイカワ(ヤ マベ)

おいかわもともとは、琵琶湖にいた魚、琵琶湖産の鮎の放流に伴い、 関東に も広がったらしい。
清流のナイフという表現のピッタリ来る、婚姻色の美しい魚。
体長は、10cmから15cmくらいと小さいけれど、結構シビアに、フライをセレクトする。
ちょっとでもドラグがかかると、そっぽを向くという気むずかし屋。
川の中流域に広く生息しているので、餌釣りの良い対象魚。
餌釣りの難しい瀬にでている時は、ドライフライの独壇場になる。
実家の近くの川で、この魚に相手をしてもらったことが、
自分のフライフィッシングの土台になっている。
この魚専用に、ミッジを巻いて、2〜3番のタックルで狙うと楽しい。




 

ブラックバス

50アップ

ブラックバス。最近、害魚論争が盛んになっている。
本来、日本の自然の生態系の中には、居ないはず外来魚。
不法放流の結果、全国のあちこちに広がってしまったと言われている。
しかし、日本に本来の自然の生態系は、どれくらい残っているのだろうか?
人間の手の全く入っていない自然は、いったい何処にあるのか?
日本に以前から居た魚で漁をすることを生業にしている方にすれば、
その魚を食べてしまう魚=害魚になってしまうと思うが、
それだけで、語れない大きな問題を含んでいる。
・・・・そういった事は、常に頭にあるけれど、フライの対象魚として、魅力的な魚である事も事実。
トップにガバッと出てくる瞬間を一度でも経験すれば、
この魚の魅力に取り憑かれてしまうことは、間違いない。
田渕義雄さんの名著『フライフィッシング教書』に出ていたバスマドラーを 見よう見まねで巻き、
大学の敷地にあった池で、初めてのバスを釣った時の感触を今でも覚えている。

それ以来、バスマドラーは私のパイロットフライとなった。




矢田川の鯉です。 鯉のぼりとしても大変親しまれ、誰もが 知っている鯉。
これをフライで釣ろうと思いついた方の発想は素晴らしい。
数年前、テレビ東京の『ザ・フィッシング』で、故・西山徹さんが、パンフライで鯉を釣るという番組をたまたま見か け、
早速、当時近所に住んでいた鶴見川で、グローバグを流して釣ったのが最初だった。
その巨体からくる、引きのトルクは大変強く、バッキングラインまで引き出して、ロッドをバットから半月に曲げてく れる魚。
どこへ行っても、魚影が濃いので、「今日は魚がいなかった」という日が無いので、
そういう意味で、身近で希少価値のある魚である。
(釣れない日もあるが、それは私の腕に問題が・・・・)


 

ウグイ(ハヤ)

相模川のウグイです 私の田舎の方では、ハヤと呼ばれてい た。
渓流から川の中流域、そして汽水域にいるマルタを含めると、かなり広範囲にわたり生息している魚だ。

渓流ではヤマメなどの外道として嫌われている魚ではあるが、オイカワと同様、ドライでもニンフでも釣れ、
身近なフライの対象魚として貴重な存在。
体長は、大きくても20cm〜30cmくらい。

オイカワよりは大柄で、より流れの強い所にいるように思う。

この魚も、婚姻色が出ると、腹に赤と黒のラインが浮かび上がり大変綺麗。

3、4番の ライトタックルで専門に狙うと楽しい。


ブルーギル    

ブルーギル ブラックバス釣りをしていて、必ずといって良いほど釣れてしまい、外道扱いされていた魚。
バス同様、北米原産の移植外来魚である。
初めて放されたのは、伊豆の一碧湖。記念放流したのは皇太子の頃の昭和天皇だったと聞いた。
バスよりも繁殖力が強く、あっと言う間に広まってしまった。
最近では、その旺盛な食欲と繁殖力から在来種への影響が懸念され駆除される身の上だ。
フライでこの魚を狙うと、非常に楽しい。トップに出る時期(春から秋)であれば、
どんなフライにも果敢にアタックし、20センチを超えるサイズになると、6番ロッドでも引き絞ってくれる。
個人的には、愛嬌のあるこの魚が好きだが、霞ヶ浦近辺でも、駆除の影響か狙っても釣れない時もある。




ワタカ     

ワタカ 霞ヶ浦水系で、春先から秋にかけて、時々ライズリングが出来ることがある。
その殆どは、ギルかこのワタカだろう。
水生昆虫やユスリカのハッチにライズし、水面に垂れ下がった草の葉をチュパチュパ音を立てて突いている。
この魚も琵琶湖水系からの移植魚のようだ。
トップに反応するときに、ドライフライで狙うと、珍しくフライフィッシングをやっている気になる。笑
最大で30センチを超すものもいるが、往々にしてまったく引かず、やりとりは面白くない。
そのくせ、ランディングされて陸に上がると、往生際悪くバタバタ暴れる魚である。
専門で狙ったことはないが、4番くらいのタックルでドライフライの釣りをすると、面白いだろう。



ボラ        

ボラ 淡水で 専門に狙ったことはないが、ボラもフライで釣れる。
海にいるボラは、大きな群れを作り、サイズも大きくフライに反応するが、
川にいるボラは小さな群れで行動し、フライに対して反応が無く、釣るのが難しい魚である。
映像のボラはギルを狙っていて、たまたま釣れたボラである。
これくらいのサイズでもワタカの5倍は引く、ヒレの力が強く、泳ぐスピードは非常に早い。
フローターで浮いているときに、目の前で突然ジャンプされると本当に吃驚する。
フライは、白いふわふわしたものが良いらしい。
海で釣るボラは、サイズも大きいので、その引きは強烈で、雑誌などでは、ボーンフィッシュ並の引きだと紹介されることもある。
私はボーンフィッシュを釣ったことがないので比較のしようがないが、確かに海のボラは強烈に引く、スプリンターである。
川では4番程度のライトタックル、河口部などで群れている50センチを超すようなボラには8番、9番のしっかりしたタックルでないと、相手にならないだろ う。


鮒           

鮒 鮒も、鯉と同様になじみの深い魚だ。生まれて初めて釣った魚が鮒だったというつり人は、多いのではないだろうか。
(もっとも、私が最初に釣ったのはクチボ ソだったが。)
この映像の鮒は、フローターでバスを狙いで沈めたウーリーバガーにアタリがあったので、釣りあげたら鮒だったというケースだ。
エッグヤーンで鯉を狙っていたら、しっかり喰っていたなんて事もある。
鯉ほどの
引きにトルクは無いが、魚体に似合わずダッシュにかなりスピードはあった。
専門に狙えば、狙えるターゲットになるのかもしれない。
釣り方は、鯉より軽めのタックルでいけるのではないか。
フライのサイズも体と口のサイズを考慮して、ワンサイズ落としても良いのではないか。
もっとも、鯉と鮒は殆ど同じような場所に生息しているので、鮒を狙ったライトタックルに、でかい鯉がかかるという状況もありうる。
ということで、余裕のあるタックルでトライする方がよいだろう。


メ バル
メバル 堤防や、漁港などで手軽に釣れる魚。煮魚にし ても美味 しいので人気があるが、
根魚などと呼ばれ、ポイントに固まっているので、釣れるだけ持ち帰ってしまうと、
たちまち魚がいなくなってしまう。長く釣って楽しもうと思ったらC&Rをしてほしい。
シュリンプパターンなどのフライで狙える魚。
特に、冬場、ターゲットに乏しい季節に相手をしてくれる貴重な魚。






カ サゴ
かさご メバルより、もっと根に付く魚。
同じく、堤防や漁港などで底を狙うと釣れる。
唐揚げなどで美味しいので、これも持ち帰る方が多いが、
ポイントが決まっている根魚なので、釣って楽しむならC&Rをおすすめしたい。
引きは強く、アタリの後、直ぐに引き抜かないと、根に潜られてティペットを切られてしまうので要注意。
シュリンプパターンがおすすめだ。

 

 



釣れた魚が対象魚、と言ったら言い過ぎかもしれないが、
フライで釣れる魚は多いので、更に対象魚を増やしていきたいと思いつつ、このサイトを立ち上げてほぼ5年。
早いものだ、魚を取り巻く環境はますます厳しくなっている昨今、自分にも出来ることはないかと模索中。
                                                                                          2006.6.6


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